@Gallery TAGBOAT 提供記事
このサイトを見ている方なら、アートを見に行く機会は多いと思う。しかし、実際に買って楽しむ機会はまだまだ身近になっていないのではないだろうか。この特集コーナーでは、国内最大級のオンラインショップである@Gallery TAGBOATより、実際にアートを買って楽しんでいる人の姿や、話題となっている作家やギャラリーを紹介していく。
これは旅のような写真集である。もっとも、どこかの田舎で撮った風景もあれば、東京の街中、見慣れた風景もある。ただページをぱらぱらめくっていくときの感じが、ずっと続いていく日常を綴ったロードムービーのようなのだ。
しかしまた、写真集をめくっていて、なぜか、以前TAGBOATのコラムでインタビューをして記事にした、写真を趣味になさっている医師の先生のことが思い出された。
先生は、趣味が高じて旅先での何気ないスナップをまとめた写真集を自ら出版なさった。忙しい医者の仕事のかたわら、旅先で写真を撮るのが好きで、ということだったが、素直にその場所その風景に感動したという気持ちが伝わってくる、素朴でいい写真だったのを覚えている。

だから写真を撮ったり、見たりするのが好きな人には何かしら彼の写真は感じてもらうことができるのではないかと思うのだ。
(逆に言うなら、最近はあれこれ理屈をつけるなり、細工をして写真のクオリティをあげようとするアート写真が多すぎるとも言えるのかもしれない)
この『Chair Album』は分厚い写真集で一ページに1枚の写真、それが240ページある。 しかし不思議と飽きない。またいつか、この分厚い本をしばらくぶりに引っ張り出して眺めたとして、やはりきっと変わらず眺められるだろう。
悪く言えば、佐内正史の写真というのは地味である。
でも、ただのいい風景が撮れているというのが実は一番長く見続けられる写真じゃないだろうか。
この写真集を見終えて、そんなことを思った。

Yohei Yasuda 安田洋平
仕事は編集者。ライター。アートと、福祉と、不動産に関わった仕事をしています。
アートに関しては、
僕の書いた記事がきっかけのひとつとなって、お気に入りのアート作品を持つ人が増えてくれたら幸せです。
TABと@Gallery TAGBOATのタイアップについて。